ETC特需、店は「正直困惑」「タイヤの方が・・・」
[更新日]2009-03-19 10:36:51
車に取り付ける自動料金収受システム(ETC)が飛ぶように売れている。政府が景気対策で打ち出した高速道路料金の大幅値下げの対象がETCの搭載車に限られるからだ。12日から購入に助成金が出る制度が始まったことが拍車をかけた。だが、ETCは店側にとっては収益性の高い商品とはいえず、販売現場では困惑も広がっている。
愛知県内に5店を展開する自動車用品店のジェームス名古屋(本社・同県三好町)によると、ETC購入者への助成が始まった12日から、すべての店で客の行列ができた。1日に70~100台分の取り付け申し込みがあり、すでに3月は予約でいっぱい。今買っても、車に搭載できるのは4月以降になるという。販売担当者は「各店舗とも300~400個の在庫を用意したが、こんな状態は想像もしなかった」と話した。
同県豊田市の「イエローハット豊田大林店」では、これまでのETCの売れ行きは週に5、6個。需要増を見越して100台分を用意したが、12~14日で全部売り切れた。特に13日は店員が食事にも行けない忙しさだった。助成が始まって初めての週末となった14日は、タイヤなど別の売り場の店員をETCコーナーに回して対応した。
だが、たくさん売れても取り付けられるのは「1日に10台程度が限界」。取り付け作業にも別の売り場から応援に回しているが、14日以降に購入したETCの取り付けは4月以降になりそうだという。
今回のブームのきっかけとなったのは、ETCを使えば「地方は土日曜・祝日1千円」となる高速道路料金の大幅値下げだ。土日曜と祝日に、東名高速など全国の高速自動車国道や伊勢湾岸道路、東名阪自動車道や東海環状道といった対象道路を走った場合に割引になる。
ただし、名古屋高速など地方の一般有料道路や、東京と大阪の大都市近郊区間は対象にならず、地方区間の料金1千円に加えてそれぞれの料金を払う必要がある。割引は28日から始まるものの、道路会社の料金徴収システムの調整が間に合わず、完全実施は4月29日まで遅れることになった。
さらに、車用品の販売店側にとっては、ETCを売るより、単価が高いタイヤやカーナビを売った方が収益が上がるため、降ってわいたような今回のブームに戸惑う向きもある。
イエローハット豊田大林店の坂口圭・店長代理(33)は「ETC人気には正直困惑している」と漏らす。
12日以降はタイヤ売り場などからETCコーナーに店員を回して対応しているが、店全体の売り上げは実は落ちているという。坂口さんは「店員をそのままタイヤ売り場に配置して売った方が利益は上がる」と苦しい胸のうちを明かした。(木村浩之、四登敬)
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〈ETC設置に対する助成〉 国土交通省所管の「高速道路交流推進財団」が窓口。取り付け費用も含め、通常1万~2万円前後する価格から、四輪車は5250円、二輪車は1万5750円が助成される。財団指定の取扱店でアンケートなどにこたえるとその場で助成が受けられる。現在のところは3月31日までの契約が対象だが、財団はホームページで4月以降の助成継続を示唆している。
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